生成AI利用方針
- 背景と目的
税理士法人ファリスは、「良識と創意をもって真摯に顧問先を支援する」をはじめとする経営理念のもと、地域の中小企業の持続的発展を支援しています。
この理念を実現するための手段として、生成AI(Gemini等)を業務効率化とサービス品質向上のために活用します。
一方で、誤情報を生成する「ハルシネーション」や、入力情報の取り扱いによる情報漏えいリスクに配慮が必要であり、本ガイドラインは実務上の効率と安全性の両立を図るために定めるものです。 - 基本的な方針とルール
2-1 活用方針
生成AIを「第2の脳」「優秀なアシスタント」として位置づけ、業務効率化と品質向上のために積極的に活用します。ただし、AIはあくまで「支援ツール」であり、最終的な成果物の品質と責任は当法人が負うものとします。
2-2 利用ツールの区分 セキュリティレベルに応じて、以下の通りツールを区分します。
【推奨ツール】Gemini for Google Workspace
位置づけ: 法人契約のGoogle環境下で提供される標準ツール。
セキュリティ: 入力データがAIの学習に利用されない設定となっており、安全性が高い。
利用範囲: 一般業務、社内資料作成、匿名化した個別案件の相談など。
【準拠ツール】ChatGPT / Claude / Perplexity 等
位置づけ: 高度な推論や文章作成など、特定の業務で有用なツール。
利用条件:学習設定の無効化: 設定で「トレーニングへの利用」をOFFにすること(可能な場合)。
入力制限: 個人情報・顧客固有情報の入力は一切禁止とする。
申請: 業務利用する場合は、利用ツールと目的を上長へ報告すること(または事前許可制)。
2-3 最終確認の義務と責任
裏付け確認: 税務判断や法的根拠については、必ず法令・通達・国税庁サイト等の一次情報を人間が確認しなければなりません。
責任の所在: AIが作成した回答や資料であっても、対外的に提出した時点で、その責任は当法人に帰属します。
2-4 入力情報の管理
原則禁止: 顧客名、個人名、住所、電話番号、具体的な財務数値(特定可能なもの)の入力は禁止します。
匿名化の徹底: 相談内容を入力する際は、以下の通り抽象化を行う。
固有名詞の置換(例:「株式会社ファリス」→「A社」、「顧問先様」→「B様」)
数値の概算化(例:「売上12,345,678円」→「売上約1,200万円」)
特定要素の削除(地域名や特殊な業種など、組み合わせることで特定できる情報の削除) - 実際の活用と注意点
3-1活用例
ドラフト作成: メール文面、挨拶文、契約書・覚書のたたき台作成。
壁打ち・思考整理: 複雑な事案の整理、「この場合どのようなリスクが考えられるか?」といった観点の洗い出し。
情報収集: 税務用語の一般的な解説、Excel関数の作成、マクロ記述。翻訳・要約: 海外税制の調査や長文資料の要約。
3-2禁止・注意すべき活用例
機密文書のそのままのアップロード: 議事録や決算書PDFをそのままAIに読み込ませる行為(推奨ツールであっても慎重に扱うこと)。
未検証情報のコピペ: AIの回答を裏付けなしにそのまま顧客へのメール回答に使用すること。 - リスク管理のポイント
【リスク】
対策の詳細
【著作権侵害】
生成物の著作権を確認し、引用が必要な場合は範囲を明確にする。
【情報漏えい】
ツール設定(学習利用オフなど)の確認、法人管理下アカウントの利用、匿名化、アクセス制御・認証管理の徹底。
【誤情報(ハルシネーション)】
複数の情報源で確認。税務判断は法令・通達・判例で裏付ける。
【セキュリティ全般】
パスワード管理、ツール選定、設定の定期点検を実施する。 - 導入と運用の流れ
⑴導入前準備: ツールの選定・設定確認・利用者教育
⑵運用ルールの策定・周知: 機密情報入力禁止、AI出力確認義務、履歴管理
⑶継続的見直し: 法改正・技術進歩・運用上の課題を踏まえて改善 - 社内チェックリスト(抜粋)
□ 入力内容に個人情報・機密情報が含まれていないか。
□ 出力結果を必ず人が確認したか。
□ 履歴保持・認証設定が適切に行われているか。
□ 保存・共有ルールを守っているか。
□ 外部送信時の承認を得ているか。 - まとめと宣言
税理士法人ファリスは、法令遵守・情報保護・信頼性を確保しながら、安全で効果的な生成AI活用を通じ、業務効率化を図り、地域と顧問先の成長に貢献し続けます。
税理士法人ファリス
税理士 吉井英人
令和7年12月22日制定
【お問合せ窓口】
- 当事務所における生成AI等の取り扱いに関するご質問やご意見に関しては、以下の窓口にお問い合わせください。(受付時間:平日9:00~18:00)
| 事務所名 | 税理士法人ファリス |
|---|---|
| 電 話 | 0467-53-9637 |
| FAX | 0467-53-9638 |


