調査当日までの準備
一般の税務調査では、税務調査が行われる1~2週間前に会社宛に税務調査が入るという旨が電話で連絡されます。
税務調査実施の日程は、双方の都合を調整して行われます。
従って、突然やってくるということは滅多にありませんのでご安心ください。
ですが、連絡から実施までの間にできるだけ手を尽くしておくことができるならば、もちろんそのほうがいいですよね。
多くの場合、過去3期分の資料調査までさかのぼります。
もしその3期について、整備されていない事項や不十分な処理しか行われていない事項があるならば、この期間にすべてを整理しておいたほうが良いでしょう。
以下の9点は是非やっておきたい事項です。
- ①申告書、総勘定元帳等の整理
- ②伝票・請求書・領収書などの整理
- ③契約書(印紙の貼付確認)・証憑類の確認(稟議書含む)
- ④給与台帳・源泉徴収簿
- ⑤帳簿類の整理
- ⑥金庫・ロッカー・事務机・書類棚の整理整頓
- ⑦調査日現在の現金勘定の確認
- ⑧棚卸資料(原始記録)の確認
- ⑨パソコン内の整理(社長、経理担当)
その他に事前に確認しておくべき事項としては以下のものが挙げられます。
- □ 定款・各種議事録の有無と管理状態
- □各種届出書の保管とそれに基づく税務処理の確認
- □契約書・稟議書・取締役会決議書の整合性
- □社内諸規定と税務処理の整合性
- □請求書・領収書による支払い先の確認(相手先との一致の確認)
- □保存期間内の帳簿書類の有無
- □取引先以外のカレンダー、記念品、メモ用紙、ライターなど名入りのものの整理
- □社用電話帳の取引先以外の会社名の有無
- □個人預金関係の整理
帳簿に関してはこんなことまで注意しなくてはいけません!
- □帳簿や伝票に付箋が貼ったままになっていないか
- □帳簿にメモ用紙が挟まったままになっていないか
- □帳簿や伝票に鉛筆などで書き込みがないか
- □帳簿に○印やレの印でチェックしてないか
- □帳簿や伝票に鉛筆で数字が書き込んでないか
- □経営者や経理担当者の机の上のメモ用紙やカレンダーへの書き込み
税理士と社内の責任者は周到に準備を!
税務調査に際して、通常は税理士に立会ってもらいます。
しかし調査を受けるのはあくまでも会社であり、中小企業ではたいてい経営者が調査に対応することが多いです。
税理士は、税務代理や、税務書類の作成を業務としていますが、税務調査にあたっては、基本的には中心的に受け答えすることはできませんので応対する人を明確に決めておいたほうが良いでしょう。
<p詳しい取引内容の詳細を求められた場合に、帳簿を提出したり、応対するのは誰なのかはということや、経理以外では誰が答えるなども決めておくほうがいいでしょう。
社内的には次のような体制を整えておくとよいでしょう。
- □対応責任者を各部門ごとに決めておく
- □各部門が連携をとって、自分勝手な判断だけで対応しないように決める
- □各部門ごとに取引実績など事実関係を把握しておく
- □各部門の取引実態について、処理が税法などの法令に適合しているかを確認しておく
- □分からないことは分からないと答えるようにする
- □余計なことは答えないようにする
- □取引会社からいただいたもので不正行為がないものであっても、今仕事に必要のないものであれば捨てるなり持ち替えるなりして、変に誤解を与えてしまわないようにする
税務調査当日までにそろえておくべき書類・帳票類
① 売上・仕入れ関係
- 総勘定元帳
- 入出金伝票
- 見積書
- 売掛帳・買掛け帳
- 納品書
- 領収書
- 工事契約書
- 棚卸表
- 請求書
- 小切手控
- 預金通帳
- 現金預金出納帳など(すべて3期分)
② 会社経営全般
- 契約書
- 稟議書
- 賃貸契約書
- 議事録など
③ 人件費関係
- 給与台帳
- タイムカード
- 出勤表
- 扶養控除申請書など
調査前日までに上記資料を一式まとめて用意しておくと、調査官からも調査に協力的だと思われ、調査事態もスムーズに進めることが出来るでしょう!